アメリカの新大統領にトランプ氏が就任して以来、人種差別を助長する政策や言動、移民規制や社会保障改革案の提案なんかが続いていますね。そのようにトランプ大統領が打ち出す政策から人々が受けるストレスを「トランプストレス」と言うのだそうですね。国民の多くが困惑し、特に移民の多いニューヨーカーに至っては、大きな不安と混乱に陥っている模様。「居ても立っても居られない」「なんだか落ち着かない」ストレスから、「誰かと話したい」と願い、セラピストのもとを訪れたり、とりあえず身体の緊張をほぐすために、マッサージ屋さんへ通ったりと、そうしたお店への予約が殺到しているのだとか。また、不安解消や刹那的気晴らしのためか、対話を求めてか、barなどのお店へ人々が集まって賑わっているので、お店側は嬉しい悲鳴をあげているのだとか。
社会の大きな変化がある時、ストレスに感じる人が多いのはどこも同じでしょうけど、セラピストや、barなどで知りあった人と話すことでストレスを解消しようというのはアメリカ流ですね。(日本なら友だちや会社仲間と話すか、ネットの掲示板であれこれ意見を出し合うんじゃないか、と思います。)
アメリカ流に、一人で悩まず、とりあえず誰でもいいから話し相手を見つけに行こうとする行動には、たくましさを感じます。barで知り合った人たちと新たなコミュニティーができあがる時に、人間集団としての自己治癒力が発揮されているのでしょうね。
カウンセリングは、クライエントさんの「治りたい」という気持ち、自己治癒の欲求が高まった時に始めるのが効果的です。今のアメリカ社会も、「トランプストレス」というショックを受けた人々が「社会のひずみを直したい」という自己治癒の欲求を高めて、アメリカ社会がカウンセリングを始めたんだ、と思います。今後もウォッチしていきたいと思います。